20160614

29インチと27.5+インチバイクの話


みなさん既に現在発売中のMTB日和はお読み頂けましたでしょうか?
まだ読まれていない方はぜひ手に取ってお読みください。
特に29インチバイクにネガティブなイメージを持たれている方は是非一読して頂きたいと思います。

上の写真は今回誌面に登場したTransition Smugglerです。
じつは自社でデモバイクを準備していなかった為にあるDHエリートライダーさんのプライベートバイクをお借りして取材を受けました。

詳細は誌面をご覧いただきたいのですが、最近の29インチバイクの進化が止まりません。
最近のフロントディレイラーを廃する事によるジオメトリーの自由度が増した事などにより今までの曲がらない、XCバイク専用などというイメージのバイクをは大幅に異なる乗り味を実現しています。
海外でもそのトレンドは大きくなりつつあるようで実際にタイヤには2.5幅のDHケーシングの商品ラインナップが増え、2017モデルになるとさらに各社29インチのフルサスニューモデルを投入してくる模様です。

また他社からは29インチと27.5+の共に使用可能なフルサスフレームなどもラインナップされてきました。
彼らは29インチは"for Racing"、27.5+は"for Fun Riding"という売り方をしているようです。

この意味がどのような事かを簡単にご説明しようかと思います。



同じバイクでホイールサイズを替えて写真を撮ってみました。
左側が27.5+(WTB Scraper50mmリムとTrailbrazer 2.8タイヤ)、右が29(NOTUBES Flow EXリムとSchwalbe Magic Mary 2.35) となります。
この写真では思ったよりもよくわかりませんでしたね。


一般的にタイヤ外径が共通と言われている29と27.5+ですが比べるとこんなに異なります。
左側の写真がわかりやすいかとも思われますが、これだけタイヤ外径に差があるタイヤを前後に装着すると乗り味に大きな影響を与えるBBハイトにも差が出る事はご理解頂けるかと思われます。
27.5+を装着しBBハイトが下がる事で安定感が増します。その変わり従来備えていたキビキビ感は少しスポイルされるかもしれません。
この事から拘って29インチフレームをつくるブランドからは共有は敬遠されがちです。

この事と最近のDHタイヤをベースとしたタイヤにエッジのある29インチとファットタイヤとして接地面積が広くエッジがない27.5+のタイヤ形状の差からくる乗り味、コーナリングスピードの差などから"for Racing"、"for Fun Ride"という説明になってくると思われます。


私、個人的な見解ではユーザーさんの好みに併せどちらでも良いような気がします。
29インチホイールでエンデューロレースに出場することも、27.5+で自分のペースで快適にDHを楽しむ事も、ホイールを2セット準備し両方を楽しむことも、ユーザーさん次第のような気がします。
こんな事を書くとだれかに怒られるかもしれませんね。

実はお借りしたライダーさんもこのバイクを使いプライベートで29と27.5+を使い分けて遊んでいたという噂を聞きつけておりましたので試しに前後のタイヤクリアランスの写真も撮っておきましたのでそちらも掲載しておきます。

こちらがSchwalbe Magic Mary 29×2.35を装着した時のクリアランスです。
以前、他のバイクでMaxxis Minion DHF/R の29×2.5を装着しましたがそれに匹敵するクリアランスのきつさです。


そして27.5+も装着してみました。
こちらを装着した場合、一番タイトになるのは右側のチェーンステイのクリアランスでしょうか。
このバイクでの確認はしていませんが、以前、TransAM29でも確認した際には同様の箇所で空気圧をあまりに落としすぎるとコーナリング等でタイヤがよれた際に少し当たっている跡が残りました。


全ての29インチバイクで同様の手法がとれるかは確認しておりません。
タイヤやリム幅等の組み合わせにより色々な事が起こりうるかもしれません。
Transition Bikesでこのような組み合わせで行う場合、このような感じになるようです。

みなさん一度ショップさんに相談しながら色々と試してみるのも面白いかもしれません。
ご参考までにどうぞ。